自分の事務所には頻繁に融資のご相談を頂きますが、多いパターンとしてあるのは、
「起業して半年、売上がたたなかったが、再来月くらいから受注の見込みがついてきた。なので、それまでの運転資金を借りたい」
というようなものです。
こういう方は、ほとんどが起業に際して事業計画書も作らず、自己資金だけで開業した方です。
はっきり言って、この問い合わせを頂いた時点での創業融資はかなり絶望的です。
起業前ならば、当然業界経験と自己資金とやる気があるだけで、実際の実績があるわけではありません。
なので日本政策金融公庫を初めとした金融機関もそれ以上のものは求めません。
しかし起業して半年もたてば、すでに「実績」と呼べるものができています。
そして、それは「起業に失敗した」という実績です。
問い合わせを頂いた起業者からすれば、売上の見込みが立っている現在、自分の起業を失敗とは考えたくはないでしょう。
しかし、起業前の自分を振り返ったとき
「起業してから半年以上、思うような売上がたたない」
という計画だったのでしょうか?
おそらく違うと思います。
つまり、当初の計画(見込み)は失敗しているわけです。
さらにその失敗の実績に加えて
「起業という人生の一大イベントにもかかわらず計画性がない」
というマイナス評価のおまけ付きです。
そこでいくらその起業者が売上見込みを主張しても、信用されないのが当然だと言えます。