中小企業における従業員満足度

こんにちは、茨城で創業融資、事業用資金融資をサポートしている行政書士兵藤貴夫です。

一月以上前の記事になりますが「日刊工業新聞」に興味深い記事が掲載されていました。

30人という小さい会社に採用希望者が集まるシンプルな答え

この記事を読んで真っ先に浮かんだキーワードは

「従業員満足度」

でした。

仕事柄、人材確保の相談も受けることがあるのですが、どうも皆様

「雇用の問題 = 給与の問題」

であると考えがちのようです。

確かに人材確保において給与は大きな問題です。

しかし食うや食わずの時代ならばともかく、ある水準以上の給与を出している場合、本当にそれがすべてなのでしょうか。

たとえば今の時代、ちょっとしたバイトでも生きていけたりします。

「人はパンのみで生きるにあらず」

という言葉の通り、事業主として人を雇うのだったら、せめてバイトで働く以上の何かを従業員に与える必要があるのではないかと思います。

逆に言って従業員に給与に代わる「何物か」を与えることができれば、人は付いてくるし、定着もしてくれるのではないでしょうか。

結局その「何物か」が「従業員満足度」であらわされるものなのでしょう。

それは例えば「自社への愛情や誇りや夢」だったりするのだと思います。たとえば

「毎日、職場に笑いが絶えない」
「数年後に株式公開を目指して、全社員の目標が共有されている」
「自社の製品は日本一だと思っている」

という会社だったら、たとえ多少給与が低くても、仕事がハードであっても社員の定着率は高くなると思いませんか?

そういう意味でストックオプションの最大の利点は、得られる資金と同時に、株式公開という目的に向かって社員全員が意識を共有できることではないのかと考えています。

中小企業の場合、大企業と比較すれば、給与、福祉、扱うプロジェクトの規模など敵うはずありません。

さらに自分の経験上、中小企業と大規模な会社の一番の違いは

「従業員が自分の会社に誇りを持っているかどうか」

であると思っています。

つまりこういう精神的な満足感でも大手企業には中小企業は太刀打ちできないわけです。

自分の知っているある会社で

「従業員の独立を推奨」

している会社があり、倍々ゲームで業績を伸ばしています。

「経営者として給与以外、従業員に何を与えることができるのか?」

経営者と従業員、お互いの幸福のために、経営者は常に考える必要があると思っています。