M&A、合併、事業譲渡は難しい

こんにちは、茨城で創業融資、事業用資金融資をサポートしている行政書士兵藤貴夫です。

本日、県南のお客様の事務所に伺って、M&Aのご相談を受けてきました。

そのときお客様に

「多くの場合M&Aはうまくいかないことはわかっている」

というお話しをされました。

これは自分も聞いていますし、この原因としてはいろいろ考えられます。

合併後に簿外債務などが発見されて、大損だったケースなども聞いています。

また従業員の給与や福祉、待遇などが合わなくて不満を抱えるケースもあるでしょう。

しかし、小規模事業同士のM&Aで大きいのは

人の心の問題

なのだと思います。

そもそも事業を手放すことを考えた事業主は事業への意欲を失っていることがほとんどです。

事業主のモチベーションの喪失は、そのまま従業員のモチベーションの低下につながります。

また、自分がお客様を回って感じるのは、それぞれの組織が独自の考え方や感じ方、価値観を持っている、つまり

「独自の文化を持っている」

と言うことです。

この独自の文化を持っている組織同士を単純にくっつけても、お互いが信じるものを賭けた争いになるのは当然だと言えます。

大組織ならば、従業員に組織への忠誠心もあるでしょうし、組織内で生きていくために自分を殺すことも要求できるでしょう。

しかし小規模な組織においてそれらはあまり期待できないでしょう。

「ある会社を吸収して従業員を引き取ったら、いつのまにか吸収された社員が全員退職していた」

「経営者が合併先に、一生懸命従業員の雇用を頼んだが蓋を開けてみたらほとんどが退職を希望した」

などという話もかつて聞いたことがあります。

後継者不足の地方中小企業にとってM&Aは有効な解決手段です。

しかし、組織と経営者に求心力がないとなかなかうまくいかないと言うのが自分の実感です。