従業員でいる内に起業の準備を

起業した場合には最初にまず集客を考えなければなりません。

いくら立派な店や事務所をかまえても、どんなにすばらしい職人技や技術を持っていたとしても、顧客がつかなければ事業の継続は不可能です。

そのために起業者は皆悪戦苦闘して広告や宣伝を工夫したり、自分自身や人を使った営業に尽力したりするわけです。

ただし、これは何も起業者だけに限った話ではなく、およそ経営者であるならば、当然のように考えていることです。

しかし当然のように回っている既存の事業と、始まったばかりでまだ受注がない起業直後の事業では、その集客の困難さと重要性では雲泥の差があります。

起業者の場合ときに「最初のひとり」のお客様を得るために多くの時間と労力が必要だったりします。

しかし、この「最初のひとり」を何の苦労もなく得る起業者がいます。

それにはいくつかの条件があって、たとえば以下のようなものだったりします。

  • 前職と同業あるいは類似業種で起業する。
  • 前職場での固定客とのつながりが相当数ある(自分のファンが居る、あるいは連絡が取れる顧客リストを作っている)
  • 前職場で固定客に連絡を取ることを承諾している。もっと平たく言えば顧客を持っていくことを承知している。
  • 前職場の商圏と自分の商圏が重なっている。前職場の固定客が通える範囲に自分の店舗等がある。

他にも極度に営業に特化した起業者であるケースなどもあるのですが、今回は割愛します。

また3番目についてはのれん分けとして円満に前職場が承諾してくれるケースもあれば、喧嘩して無理やりというケースもあります。

これらの条件が揃っていると、起業直後からの集客数の計算ができるようになります。

さらにこの「前職と同業で起業する」というのは、日本公庫や制度融資などで金融機関や保証協会が重視する項目だったりします。

また自分自身についてくる固定客の存在は事業計画書でアピールしやすい項目だったりします。

当然ですが、これらの条件は漠然と従業員として働いていても揃いません。

起業を目標として、働きながらそれに向かって準備している起業者がやはり成功する可能性が高いと言うことになります。