準備する女性起業家
StartupStockPhotos / Pixabay
起業するに当たって、個人事業として行うか、それとも会社組織するかという問題があります。

中には

「起業 = 会社設立」

ととらえていて「代表取締役社長」の肩書きに憧れて起業される方もいらっしゃいますが、それぞれメリットとデメリットがあるので、一概にどちらで起業すればいいかとは言えません。

一般的に会社組織にした方がいいか、それとも個人事業にするべきかは以下のような点を考慮しなければなりません。

  1. 税金はどちらが得か
  2. 社会的な信用が必要か
  3. 融資を受けるかどうか

税金の問題

事業を行うとき、個人の所得には所得税がかかります。法人の所得には法人税がかかります。

個人の所得の税率はその金額に応じて4段階になっています。

330万~ 900万円未満 = 20%
900万~1800万円未満 = 30%
1800万~3000万円  = 37%

法人の法人税については800万円以下の所得には22%、それ以上になると30%の税率となります。

他にも住民税や事業税などの地方税もあるので、計算が難しくなるのですが、おおざっぱに言って年間所得が800万円を超えるかどうかが一つの目安になります。

ただし会社組織にしたときの以下のような様々な節税メリットも見逃せません。
一般的に言って、会社組織にした方が節税はやりやすいと言えるでしょう。

  1. 経費として損金勘定できる範囲が広がる
  2. 役員の報酬を経費扱いできる
  3. 家族を従業員としている場合には、その給与を経費として算入できる

対して個人事業の場合には、事業の所得は全て事業主の所得として税金が課せられます。

社会的な信用について

一般的に言って、会社組織にした方が信用度は高いと言えるでしょう。

これは初対面の相手に名刺を渡したときなどに、相手の信用度に影響します。

ただし、これも業種によってさまざまで、あまり関係ない場合もあります。

個人的な印象としてはカウンセリングなどは、個人でも法人でもあまり関係ないように思います。カウンセラーの資質の問題の方が大きいからでしょう。

融資を受けやすいかどうか

会社組織にした場合、個人事業に較べて、銀行などから資金調達がしやすいかどうかは、おおよそ3期目くらいから差が出てきます。

それまでは、特別の担保がある場合は別として、あまり関係がありません。

会社であっても個人事業であっても、創業時には日本政策金融公庫や県の制度融資などの公的な融資以外はなかなか難しいです。

会社組織と個人事業のその他の違い

  • 開業時の手続き
    個人事業の場合にはその日から営業を開始できますが、会社組織にする場合には、定款の作成や資本金の払い込み、登記、各種の届出が必要となってきます。
  • 開業時の費用
    必要な資格や団体への加入金を除いて個人事業の場合にはほぼ無料ですが、会社組織の場合には株式会社でおよそ最低28万円、合同会社などの持分会社でもおよそ13万円ほどは必要となってきます。
  • 事業の制約
    個人事業の場合には、法律的、道徳的な問題さえなければ何を事業としてもかまいません。しかし会社組織の場合には、自分が設定した定款に記載されている「会社の目的」に制約されることになります。
  • 確定申告
    個人事業の場合には白色申告か青色申告で選択でき比較的簡単です。しかし会社組織にした場合には、複雑であり税理士などに依頼するのがほとんどです。また複式記帳による決算内容公示の義務があります。
  • 事業者責任
    個人事業の場合には無限責任となります。つまり事業を行った上で何か他人に損害を与えた場合、自分の全財産を持って賠償しなければなりません。対して株式会社と合同会社の場合には有限責任となり、出資者は自分の出資した範囲でのみ責任を負います。平たく言えば「最悪自分の出資がゼロになる」ということです。合資会社、合名会社については、無限責任社員は個人事業主と同じく無限責任です。有限責任社員は、定款に記載された範囲でのみ責任を負います
  • 社会保険加入
    会社にした場合には、すべて社会保険加入の義務があります。また従業員を雇用した場合には雇用保険と労災保険に加入しなければなりません。
  • 対して個人事業の場合、事業主一人で営業する場合には、国民健康保険、国民年金に加入すれば済みます。
    従業員を雇用する場合には個人事業でも雇用保険と労災保険に加入しなければなりません。
    また個人事業であっても従業員が5名以上になると、健康保険、介護保険、厚生年金保険の社会保険加入の義務が生じます。